越後路吟行柏梁體聯句 (韻:虞)
    漢学の里 
 二八詩朋吟杖倶  二八の詩朋 吟杖を倶にし       芳野 禎文
 秋風吹渡越州娯   秋風吹き渡る越州を娯しむ      岡安 千尋 
 蕎花脈脈快車駆  蕎花脈々 快車駆け         宮﨑 三郎
 遠訪碩儒秋光途  遠く碩儒を訪ぬ 秋光の途      安食 敏子
   三条市 良寛の道
 訪到石碑帶苔孤  訪ね到る石碑 苔を帯びて孤に      木村 成憲
 秀句佳詩悉空蕪  秀句 佳詩 悉く空しく蕪る       三   翁
 子供拍鞠老僧呼  子供鞠を拍ちて老僧を呼び        秋葉 暁子
 終日戯兒是大愚  終日児と戯るは 是れ大愚        加藤  武
   五合庵、良寛資料館
 五合庵寓林風紆  五合庵寓 林風紆り            編 集 子
 和尚慈恵染四隅  和尚の慈恵 四隅を染む         相澤 克典
 老境始得尼僧徒  老境始めて得たり 尼僧の徒       清水 義孝
 遺墨枯淡如痩躯  遺墨枯淡 痩躯の如し           薄井  隆
   弥彦神社
 曹長社頭露華濡  早朝の社頭 露華濡ひ           編 集 子    
 急湍散漼如涙珠  急湍漼を散じて 涙珠の如し       青木 智江
 彌彦山上風侵膚   弥彦山上 風 膚を侵し         宮﨑 三郎
 佐渡島影似畫図   佐渡の島影 画図に似たり        杉田 義久
   客舎にて
 啜茶相擁榾柮炉   茶を啜り相ひ擁す 榾柮の炉       相澤 克典  
 獨入温泉嫦娥弧   独り温泉に入れば 嫦娥弧なり     清水 義孝
 越後美酒溢玉壺   越後の美酒 玉壺に溢れ         薄井  隆
 客舎晩餐足驩虞  客舎の晩餐 驩虞に足る          三   翁
  越後路吟行
 雨去新涼一葉枯  雨去りて新涼 一葉枯れ          鷲野 直美
 路傍綠樹結実朱  路傍の緑樹 実を結んで朱し       鷲野 真実
 鷗盟同羇詩魂蘇   鷗盟同羇すれば 詩魂蘇り        飯野  廣
 旻天越後吟行愉   旻天の越後 吟行愉し          山下 美幸
                                      聯句構成 薄井 隆