=作者= |
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梁川星巖 東金の八鶴湖で諸友と作りあった詩。 出典は「浪淘集」。題詞には以下のようにある。 同遠山雲如河野士貞遊八鶴湖。湖在東金郭外、春夏之交、遊人最盛云。 遠山雲如・河野士貞と同に八鶴湖に遊ぶ。湖は東金の郭外に在り、春夏の交、遊人最も盛んなりと云ふ。 「遊八鶴湖」(八鶴湖に遊ぶ)七言律詩の頷聯・頸聯 |
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遊八鶴湖 八鶴湖に遊ぶ 五月薫風長鰕采 五月の薫風 鰕采を長じ 一生衾袍在菰蒲 一生の衾袍 菰蒲に在り 山明水媚看逾好 山明水媚 看て逾いよ好し 扇影衣香興不孤 扇影 衣香 興孤ならず |
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=和訳= | |
五月の薫風は蝦や野菜をおいしくし、一生この水辺に住みたいと思うほど。山は明るく水は美しく、見るほどにいよいよ美しく、扇をゆるがし衣からよい香りのする女性たちも多く、みなが遊び興じている。 |
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=作者= |
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大沼枕山 文化15年3月19日(1818年4月24日) - 明治24年(1891年)10月1日)は江戸時代後期から明治前期の漢詩人。名は厚、字は子寿、通称は捨吉、号は水竹居、臺領、枕山。下谷に生まれ、幕末・明治時代前期に活躍し、江戸時代最後の漢詩人といわれた日本漢詩史上重要な人物である。また、当時の代表的な詩社、下谷吟社を開き、ここを中心に江戸の風物を詠み続けた。 『房山集』 天保9年(1838)刊 |
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鏡 浦 秋水磨銅鏡色寒 秋水 銅を磨して鏡色寒し 菱花灣古碧圑圑 菱花湾古りて 碧団団 風師作意開雲匣 風師作意して雲匣を開き 八朶芙蓉正面看 八朶の芙蓉 正面に看る |
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「鏡浦」(鏡ヶ浦)は千葉県南房総の館山湾。「菱花湾」ともいいます。「碧圑圑」は緑色がまるくなっていること。「風師」は風の神。「作意」は心をはたらかせる。「開運匣」は空を厚く覆った雲を開くことをいいます。「八朶の芙蓉」は富士山。 『枕山詩鈔』では、3句目「風師意」を「天公故故」に作っています。 |
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=和訳= | |
秋の水は銅の鏡を磨いたように寒々と静かに広がっている。 鄙びた菱花湾に、菱の緑が丸くダマになっている。 風は神が粋なはからいをして厚く空をおおっていた雲を開き、 正面に八朶の芙蓉(富士山)を見せてくれた。 |
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=作者= | |
大沼枕山 文化15年3月19日(1818年4月24日) - 明治24年(1891年)10月1日)は江戸時代後期から明治前期の漢詩人。名は厚、字は子寿、通称は捨吉、号は水竹居、臺領、枕山。下谷に生まれ、幕末・明治時代前期に活躍し、江戸時代最後の漢詩人といわれた日本漢詩史上重要な人物である。また、当時の代表的な詩社、下谷吟社を開き、ここを中心に江戸の風物を詠み続けた。 『房山集』 天保9年(1838)刊 |
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白 濱 潮劈寒崖宿鷺驚 潮は寒崖(かんがい)を劈(さ)きて宿鷺驚き 急灘日落北風鳴 急灘(きゅうたん)日落ちて北風鳴る 雪山十丈狂濤碎 雪山十丈(じゅうじょう)狂濤(きょうとう)砕け 聽作奔雷震地聲 聴きて奔雷(ほんらい)震地(しんち)の声と作す |
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=和訳= | |
潮が寒々しい断崖を切り裂くと、巣くっている鷺が驚いて飛び立ち、 激しい流れの中に夕陽が沈み、北風が鳴る。 大波は雪山のように高く、大きな音をたてて砕ける。 それはまるで雷が鳴りって大地を揺らしているかのような音だ。 |
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=作者= | |
大沼枕山 文化15年3月19日(1818年4月24日) - 明治24年(1891年)10月1日)は江戸時代後期から明治前期の漢詩人。名は厚、字は子寿、通称は捨吉、号は水竹居、臺領、枕山。下谷に生まれ、幕末・明治時代前期に活躍し、江戸時代最後の漢詩人といわれた日本漢詩史上重要な人物である。また、当時の代表的な詩社、下谷吟社を開き、ここを中心に江戸の風物を詠み続けた。 『房山集』 天保9年(1838)刊 |
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大沼枕山『房山集』から 山村雑題四首 其三 滿簾松影夕陽移 滿簾の松影 夕陽移る 睡起看山亦一奇 睡起して山を看るも亦た一奇 爐底香消燼猶煖 爐底 香消えて 燼猶ほ煖かなり 也知假寐不多時 也た知る 假寐 多時ならざるを |
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=和訳= | |
夕陽が斜めに差して、簾には松の影がいっぱいに映っている。 眠りから醒めてすがすがしい気持ちで山を見ると、夕陽に照らされた山はことのほか美しい。 香炉のなかの香は燃え尽きたが、灰はまだ暖かい。 してみると、間居眠りしたのはほんの短い時間だったのだな。 |
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=作者= | |
大沼沈山(1818~1891) 20歳の天保八年(1837)房州を旅した時の作品集。 『房山集』から 山村雑題四首 其二 |
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=和訳= | |
東は丘、西は山。一頭の牛がのんびり鳴いている、隠棲するには最適。ふと思い立って柴の門を押し開け、杖にまかせて歩いてみる。林をはずれると他の家が近くにあることが分かる。糸車の音と水車の音が心地よいハーモニーを奏でている。 |
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=作者= 梁川星巌(1789~1858) 天保12年(1841)房総の旅の詩から 手賀沼から筑波山を望む |
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=和訳= | |
江戸の町は塵や埃がもうもうと立ち込め、目を開けて景色を見ることもできない。今日は天気もよく澄み渡り、こんなすばらしい景色が見られようとは思いもよらなかった。手賀沼に舟を浮かべて、筑波の双峰を思う存分見ることができた。 |
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=作者= 大沼枕山(1818~1891)が二十歳の天保八年(1837) |
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=和訳= | |
1本の小道が林を穿って奥深くまでくねくねと続く。 林を通り抜けると、3本のたるきに茅を葺いた粗末な家。峰には白い雲がかかっている。 山の中の家は秋の惠を独り占め。 柿は紅の真珠、栗は金の玉のよう。 |
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=作者= 梁川星巖(1789~1858)が天保12年(1841) 房総の特色をうまく言い表している |
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= 和訳= | |
魚やエビがピチピチはね、酒はとろりとおいしい。 舟に乗れば、春の夕暮れ、雨のなかで桃の花が美しく咲いている。 このように水郷の風物はすばらしいという。 房総に遊ぼうと、興が湧き、心が騒ぐ。 |
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