日目  旅全般      周荘~上海


 4日目                 
 9:35 周 荘 見学  
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 11:30 昼食  
       周荘内レストラン「沈庁酒家」  
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 15:40 上海博物館 見学  
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 17:00 夕食  
     夜景の見えるレストラン「海龍海鮮舫」  
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 19:10 黄浦江ナイトクルーズ  
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21:30 ホテル到着 「新錦江大酒店」  
 


 
                                             青木智江
 四日目、上海に移動途中、周莊を見学する。四方八方に水路がめぐり、水路沿いに街が作られている。石づくりのアーチ橋があちらこちらに架かり、両岸には柳が美しく水に映じている。水路にはお客を乗せた船が何そうも浮かび、船尾で櫓をこぐ女性がそれぞれのんびりと歌を歌う。  

   
 周 莊            
風梳嫩柳弄漪漣  風は嫩柳を梳けずりて漪漣を弄す
花覆津梁靜送船  花は津梁を覆って静かに船を送る
操櫂女歌鄕里曲  櫂を操りて女(むすめ)は歌ふ郷里の曲
好音鳥和囀靑天  好音 鳥和し青天に囀る

 
     
 
                                             溪山 薄井 隆
 車窓の左右に満開の菜の花を楽しみつつ蘇州から一時間足らずで周荘に着く。日曜のこととて狭い路地は大変な混雑だった。
 石橋の欄干に倚ると、入り組んだ狭い水路を多くの小舟が行き交って女船頭の棹歌が流れ、川面に垂れた碧柳が風になびいて岸辺に連なる家々の白壁が水に揺らいでいる。日が落ちれば軒先の丸い提灯の灯が赤々と水面に映ることだろう。此処は地理的には蘇州ではないが、頭に描いていた「蘇州」のイメージはまさにこの光景だった。山塘河や平江路も水都の風情に溢れていたが、それらを見てきた後だからこそ周荘の良さが強く感じられるのかも知れない。

 
   
 周 莊      
水路縱橫通四方  水路縦横 四方に通じ
客舟來往棹歌長  客舟来往 棹歌長し
呉聲嫋嫋引情處  呉声嫋々 情を引く処
習習春風弄柳楊  習々たる春風 柳楊を弄す

 
     
   
  次に感銘が深かった地は、蘇州南東三〇キロの中国第一の水郷の街と言われる周荘。巾五間位のやや狭い水路の両側に軒を連ねて二階建ての家々があり、江辺には柳や杏子の木々が並んでいる。民家では鶏を飼っていて、訪れたのは朝九時半すぎであったが、早朝訪ねればこんな情景であろうと想像してみました。(第三首)
わずか四泊五日の旅でしたが、現地のガイドさんは大変学識があり、誠意をもって色々とお世話をしてくれて全員無事帰国できたことは、本当にありがたいことと思っています。機会があれば、また是非中国の旅をしてみたいと思います。

   
 早晨周莊         加藤 武
陌頭綠柳帶春陽  陌頭の緑柳 春陽を帯び
江上杏花含露芳  江上の杏花 露を含みて芳し
膠膠鷄鳴村巷滿  膠々たる鶏鳴 村巷に満ち
炊烟凌屋泰然颺  炊烟屋を凌いで泰然として颺がる

 
     
   
 游周莊           河野幸男
水鄕新綠柳邊橋  水郷 新緑 柳辺の橋
古鎭周莊美味饒  古鎮 周荘 美味饒(ゆた)かなり
八大盌餐千里客  八大碗餐 千里の客
吟詩飮酒共逍遥  詩を吟じ酒を飲み共に逍遥す
   *八大盌餐…周荘之名物菜。有「万三蹄」等八大碗。
 
     
 
                                          蕗山 清水義孝
周荘は中国第一の水郷といわれる。入口に「貞豊澤國」の大きな扁額を掲げた門がある。春秋時代この地は貞豊と呼ばれていて楚の時代、大富豪の周氏が寺に寄贈したことから周荘と改名されたとガイド氏。とにかく双橋のあたりは人、人、人で驚いた。橋畔にはあちこちに写生する人が一心に筆を動かしていて、暫く見入っていた。

   
 周 莊 其 一     
雙橋映水惠風柔  双橋水に映じて恵風柔らかなり
嫰柳依依垂客舟  嫰柳依々として 客舟に垂る
立架畫工徐把筆  架を立てて画工 徐に筆を把り
碧靑點處棹歌流  碧青点ずる処 棹歌流る

 
   
 周 莊 其 二       
盡日幾艘連運河  尽日幾艘 運河に連なり   
舟人紅錦映淸波   舟人の紅錦 清波に映ず
姑蘇城外春猶盛  姑蘇城外 春猶ほ盛ん
垂柳搖風和棹歌  垂柳 風に揺らぎて棹歌に和す
 *舟人…船頭  
 
     
   
 周荘漫歩          田中 洋
度水忽迷路   水を度って忽ち路に迷ふ
呉歌魅美人   呉歌 美人に魅せらる
友朋何處在  友朋 何処くに在り
好獨領靑春  好し独り青春を領せん

 
     
   
 遊蘇州古鎭        原 正 
運河尚有楫舟姿  運河 尚ほ有り 楫舟の姿
古朴門樓古鎭湄  古朴の門楼 古鎮の湄
彈奏琵琶歌嘯和  琵琶を弾奏して 歌嘯和せば 
思驅舊昔水程覊  思いは駆ける 旧昔 水程の覊(たび)

 
     
   
 下黄浦江         尚堂 宮崎三郎
搖搖素月又紅釭   揺々たり素月又た紅釭
觀水凭舷愁滿腔   水を観て舷に凭り 愁ひ腔に満つ
何日再來春好處   何れの日か再び来らん 春の好き処
或今操舵向長江   或いは今舵を操り長江へ向かはんか

 
     
   
 黃浦江夜間遊覧      芳野禎文
夕陽將没外灘鮮  夕陽将に没せんとして外灘鮮やかなり
接踵遊人一仰天  踵を接して 遊人 一に天を仰ぐ
兩岸飾燈方壯觀  両岸の飾灯 方に壮観
忽思此似墨江妍  忽ち思う 此れ墨江の妍なるに似たると

 
     
蘇 州  
     
   
 蘇臺覽古           河野幸男    
臥薪嘗胆兩英雄   臥薪嘗胆す 両英雄
智勇交迎攻又防   智勇交ごも迎へ攻めて又た防ぐ
今只殘碑留故事   今は只 残碑の故事を留むるのみ
無常天下覇圖空   無常の天下 覇図空し

 
     
   
 蘇州偶感           田中 洋
鷗盟相共客蘇州   鷗盟相ひ共に蘇州に客たり
靑史悠長香古樓  青史悠長にして古楼香る
朝露人生何以住  朝露の人生 何を以ってか住(とど)めん
水鄕處處愈牽愁  水郷処々 愈いよ愁を牽(ひ)く

 
     
    
 江南春望           原 正
遙看寺塔聳林丘  遥かに看る寺塔 林丘に聳ゆるを
春草萋萋萬綠稠  春草 萋々 万緑稠し
家鴨浮沈游沼上  家鴨浮沈して 沼上に游び
桃花流水舊時留  桃花 流水 旧時を留む

 
     
   
 江南好日           尚堂 宮崎三郎
蘇州老巷又周莊  蘇州の老巷 又た周荘
渡水看花詩興長  水を渡り花を看て 詩興長し
海味山珍加美酒  海味山珍 美酒を加へ
鷺鷗連翼蹔徜徉  鷺鴎翼を連ねて 暫く徜徉す

 
     
   
 姑 蘇            吉村孝一
江南三月滿村春  江南 三月 満村の春
萬朶芳菲魅惑人  万朶の芳菲 人を魅惑す
渡水看花江上路  水を渡り 花を看る 江上の路
客船漾漾興津津  客船 漾々 興津々たり

 
     
     
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