千葉県漢詩連盟 台湾吟行 花 島 風 光 |
平成26年3月24日〜28日 |
パック旅行では〈非日常〉の時間と空間における「風景」と「住」と「食」の高品質をうたい文句とし、さらに費用の安さを売りにするが、参加して何か物足りない感じや消化不良の後味の悪さが残る。後でふり返ってみて、心に何も残っていないことが多い。それは旅におけるもっとも重要な要素である「人」との触れあいがほとんどないからであろう。旅にとって「人」がいかに大切なことか。志を同じくする人と行く「吟行の旅」でも同じである。あえて〈非日常〉の時間と空間に身を置くからには、行った先での「人」との交流が旅の印象をより深めることになる。 今回の台湾の旅は、三月二十四日から二十八日まで、高雄、恒春熱帯植物園、鵝鑾鼻燈塔、台南の台湾府城城隍廟、孔廟、赤嵌樓、南投県の日月潭、文武廟、台北、故宮博物院と、南から北へと縦断した。「風景」は自然から都会、人工美まで堪能し、「住」は一流ホテル、「食」は地元の人しか知らない「宮原眼科」(台中)で昼食を摂るなど、パック旅行では(今のところ)経験できないすばらしい体験をした。そして何より最も嬉しかったのは、パック旅行や一般の観光では立ち入ることのできない場所に行き、「人」との交流のあったこ とである。 鷲野正明 |