成田山 吟行会 2019/11/07 |
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2019年秋季 鷲野 正明 |
詣成田山新勝寺 成田山新勝寺に詣る
沿道連綿多賈家 沿道連綿 賈家多し
羊羹米屋久相誇 羊羹の米屋 久しく相誇る
游人遠到啖鰻鬧 游人遠く到りて鰻を啖ひて鬧がし
不悟殺生希福遐 悟らず 殺生して福を希ふこと遐かなるを |
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寫 經 写 経
淨几整然虛室中 浄几整然たり 虚室の中
香煙裊裊一燈紅 香煙裊々 一燈紅なり
靜心執筆徐含墨 心を静め筆を執り徐に墨を含めば
世事茫茫色卽空 世事茫々 色即空 |
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歩境内 境内を歩す
經文寫了出明堂 経文を写し了りて明堂を出づれば
淨域尚疑漂墨香 浄域尚ほ疑ふ 墨香漂ふを
仰見白雲如白紙 仰ぎ見れば 白雲 白紙の如く
寒烏作筆縱横翔 寒烏筆と作(な)って縱横に翔る |
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信 心 信 心
境内菊花相競連 境内 菊花 相競ふて連なり
秋陽照處白黃姸 秋陽照らす処 白黄姸なり
囘頭樹下石碑立 頭を回らせば樹下石碑立ち
刻直萬千醵出錢 直(あたい)を刻す 万千醵出の錢
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