=作者=

鷲津毅堂

『薄游唫草』は鷲津義堂(1825~1882)27歳の時の詩集。房総から出立し次の年、江戸にもどった。その、房総旅游の詩を集めた詩集。




書:岳城 仲野 滋



今までの作品
『薄游唫草』「聽水簃襍唫十五首」より

黄紬被底夢闌珊 黄紬被底 夢闌珊
鳥語聲聲破曉寒 鳥語声々 曉寒を破る
放學情懐如致仕 学を放ちて情懐致仕するが如し
一簾晴影日三竿 一簾の晴影 日三竿
= 和訳=

黄色いつむぎの布団につつまれながら見ていた夢が醒めてくる。外には暁の寒さを破るように鳥が啼いている。一日の課業が終わると、まるで致仕した気分。簾には三竿の日の光りが射している。